平成30年2月13日掲載分

天賞
家よりも広くて立派基地と墓地 南風原 宮城睦子
地賞
ヘリ事故を自作自演と言うヘイト 那覇 後盛秀行
人賞
若作り仕草にのぞく老いの影 宜野湾 崎山敏子
奨励賞
世の中を疑えば皆危険です 那覇 禱モモト
佳作
真実を穿つ裏技笑いくれ 那覇 渡嘉敷唯正
選挙戦大事にされる高齢者 うるま 比嘉春栄
またしても不時着で知る伊計島 糸満 山城のぶう
ヘリが来た大丈夫かと空見上げ 那覇 宜壽次均
記録より体感温度身にしみる 那覇 大城光代
ゆずられた席にとまどう肥満体 宜野湾 高橋けい子
懲りもせずまたかまたかの米軍機 那覇 仲本安一
この癖は親譲りだと負け惜しみ 豊見城 比嘉恒夫
憧れていたよと言われ舞い上がる 北中城 宮城好博
病み上がり体重減るが身は重い 北中城 金城清正
同期会誰が恩師か分からない 宜野湾 安里國基


天賞宮城さん:川柳らしい風刺の効いた仕立てでお見事です。声を出し、耳で聞くと五七五のリズムが心地良く響きます。
地賞後盛さん:ヘリ事故で生存権が脅かされ不安なのに、不当に攻撃するヘイト、精神的にも追いつめられますね。
人賞崎山さん:若作りしても年齢はすぐ仕草に出るものですよね。

平成30年2月6日掲載分

天賞
千鳥足ビンシー揚げてハチウクシ 糸満 我謝幸男
地賞
初日より眩しい孫の笑い顔 那覇 山城東雄
人賞
腹八分教えに背く御正月 糸満 名嘉真宣京
奨励賞
年賀状生きてる証止められず 浦添 上原盛徹
佳作
御利益も目途が立たないおさい銭 那覇 山内昌一
初詣で三ヶ所巡り安堵する 那覇 新垣明美
駆け回る孫を静めるお年玉 沼津 木俣邦捷
元旦の顔で一年過ごしたい 読谷 島尻卓
今年こそ今年こそはと今日も暮れ 那覇 浜比嘉邦子
初春に歳と薬がまた増える 豊見城 松川雄峰
年賀状余白を埋める丁寧語 那覇 金城正恒
朝酒を許してくれる三が日 那覇 比嘉靖
あこがれの詰まる短冊笹たわむ 北中城 稲福呑雲
車捨て運気を変える足の裏 糸満 金城幸鷹
若人を受験で試す運不運 糸満 玉城堅義


天賞我謝さん:ビンシーは木箱に納められた御願セットで、ハチウクシは仕事始めのこと。ほろ酔いでいい気分でいる古き良き時代を彷彿させる作品となりました。
地賞山城さん:初日より眩しいが効いています。
人賞名嘉真さん:分かっちゃいるけど、やめられないという事ですよね。納得です。

平成30年1月30日掲載分

天賞
嗚呼ウチナー欠陥ヘリの処分場 糸満 山城のぶう
地賞
コンビニは地域有料冷蔵庫 今帰仁 玉城真光
人賞
沖縄の誇る宝はユイマール 沖縄 安慶名昇
奨励賞
句も浮かび心爽やかウォーキング 糸満 伊佐真行
佳作
仲間内だけに通じる正義論 浦添 上原盛徹
定年はシニア列車の出発日 那覇 村吉政常
渡り鳥着地とまどう温暖化 糸満 玉城堅義
ボケ防止生きて頑張る五七五 宮古島 安谷屋郁
演奏会最後の曲で眼が覚める 宜野湾 許田宏
年重ねポチの老後も気にかかる 宜野湾 安里國基
金ないと喧嘩も増える老夫婦 那覇 屋良朝淳
寝たっきり元気な時は他人事 浦添 清水定芳
何事も程々が良しと悟りきる 浦添 宮里直子
ドア注意カニが言ってるゆいレール 那覇 上原とよ子
あいさつが沈む心を元気づけ 那覇 屋富祖喜和子


天賞山城さん:重い事を一読明快によくまとめられ、川柳の力量さえ感じられました。よろしいですね。
地賞玉城さん:「ほんにほんにそうだよね」と、拍手したくなりました。お見事です。
人賞安慶名さん:ユイマール(相互扶助)を持ってきて五七五に仕立てられたのが、効いています。

平成30年1月23日掲載分

天賞
チョンダラー浮世の座にも欲しくなる 那覇 前川真
地賞
ケータイに日時曜日も覚えさせ 那覇 大城千鶴子
人賞
墜落の不安がきょうも飛んでいる 読谷 島尻卓
奨励賞
ポジティブに動いて運を引き寄せる 那覇 上原とよ子
佳作
紅葉よりトイレを探す観光地 糸満 大城正雄
眼科医とマスク同士で睨み合い 糸満 金城幸鷹
沖縄の思い届かぬ永田町 北中城 佐久本盛明
出勤の車中で美人出来あがり 那覇 比嘉靖
救われた金魚よどうか生き延びて 北中城 稲福呑雲
薬よりよく効く孫の愛がある うるま 上運天米子
先輩と呼ばれ記憶が追いつかず 八重瀬 本村隆信
この島の良き隣人の裏表 那覇 與儀勇
刺激受け旅の醍醐味右脳冴え 石垣 松本敏
沖縄語消してしまえば何処の国 沖縄 源河朝盛
妻のこと川柳にして怒られる 北中城 虎田モトム


天賞前川真さん:エイサーに出てくる面白いおじさんが、この憂き世に出現するとよろしいですね。期待したいものです。
地賞大城さん:携帯電話を表す場合は、カタカナ表記でケータイになります。
人賞島尻さん:相も変らず、基地被害が続く沖縄、この状況を十七音は訴える!

平成30年1月16日掲載分

天賞
大国はすぐにジョーカー切りたがる 那覇 後盛秀行
地賞
一円の玉が胸張る消費税 那覇 渡嘉敷唯正
人賞
戌年へ拝んで捲る初暦 糸満 山城のぶう
奨励賞
花を見て妻の笑顔を思いだす 沖縄 安慶名昇
佳作
愚痴言える友とカラオケ時忘れ 宜野湾 崎山とし子
尽くしたが胸が高鳴る合否板 那覇 山内昌一
お隣の夫婦負けじと声響く 北中城 宮城好博
五年後の予定に迷う傘寿過ぎ 浦添 上原盛徹
鬼の目の涙は言葉より響く 北中城 国吉安子
断捨離へ今亡き友の年賀状 読谷 新垣喜邦
琴の音に母の記憶が蘇える 読谷 高良秀光
高いものうまいものとは限らない 宜野湾 宮里幸子
お年玉電子マネーじゃ気分出ず 豊見城 和田幸子
忘れない借りた金より貸した金 沖縄 垣花鷹志
追いかけよ夢には賞味期限なし 読谷 石嶺つる子


天賞後盛さん:「ジョーカー」とは特別なカードですね。大国を鼻に掛け、特別なカードを切りたがる。言い得て妙です。
地賞渡嘉敷さん:買い物をして、一円がたりない時の実感句ですね。日常の中のさり気ない事を上手く句に仕立てられました。
人賞山城さん:「無事を祈る」意味で拝むとした所が効いています。

平成30年1月9日掲載分

天賞
戌年へ平和を願いウートートゥ 那覇 禱モモト
地賞
簡単を難しくしているスマホ 八重瀬 森山文切
人賞
除夜の鐘遠くに聞いて無沙汰詫び 宜野湾 高橋けい子
奨励賞
ああ夫婦適度の愛に感謝する 糸満 名嘉真静子
佳作
多作多捨心に響く句を拾う 沼津 木俣邦捷
一病を味方につけて医者通い 那覇 友寄英雄
美人ママ知性と笑顔あふれさせ 那覇 池村幸夫
久茂地小瓦礫と化した子の母校 那覇 大城光代
モノレール景色に見とれ乗りすごす 北中城 比嘉若松
卒寿すぎ街を徘徊無事帰宅 北中城 小松呑水
散歩道笑顔で交わす心地良さ 沖縄 桑江彩雲
爺さんが歌う姿勢は裕次郎 北中城 高松呑海
今日の友ライバルにして上目指す 宜野湾 小浜廉市
感謝状忘れた頃に贈られる 糸満 玉城堅義
連れ合いと会話のはずむ年金日 沖縄 比嘉典子


天賞禱さん:ウヤファーフジ(御先祖)から伝えられてきた台所の「火の神」へ、今年の祈願をする姿が浮かびます。大切にしたい沖縄の「心」ですね。
地賞森山さん:老若男女スマホ時代、簡単な事でも、機能が多すぎて混乱するのですよね。
人賞高橋さん:人間の煩悩を祓う百八の鐘の音が遠くから聞こえ、人それぞれの思いはつきない。

平成29年12月26日掲載分

天賞
ロボットが案内すべて引き受ける 糸満 伊佐真行
地賞
部屋中が拍手している子の一歩 宜野湾 崎山とし子
人賞
全基地を農地に変えるボクの夢 読谷 島尻卓
奨励賞
図書館で休むお礼に本を借り 糸満 金城幸鷹
佳作
選挙終え自問自答で整理する 那覇 渡嘉敷唯正
言えぬこと十七音に思い込め 那覇 禱モモト
晴天の夜空切り裂くオスプレイ 北中城 大城勉
日米の狭間で揺れる基地の島 宜野湾 安里國基
モト彼と会える期待で同期会 那覇 上原とよ子
平穏な日々を刻んで安堵する 糸満 名嘉真宣京
曖昧な答えに丸く治められ 浦添 上原盛徹
疑いは晴れたというが深い傷 北中城 稲福呑雲
ぽっちゃりが恐る恐るに乗る秤り 恩納 伊芸元一
カーナビが無くともあの世みんな行く 豊見城 松川雄峰
裕次郎ひばり知らない子供たち 沖縄 新垣邦博


天賞伊佐さん:世の中の動きを瞬時に捉え、五七五に仕立てられたのはお見事です。
地賞崎山さん:初めての子や孫の歩きはじめは家族中大騒ぎになりますよね。その様子がよく伝わる作品で良いですね。
人賞島尻さん:島尻さんの夢は、多くの人の夢でもあることでしょう。この夢を実現させたいものですね。

平成29年12月19日掲載分

天賞
飽食が人もペットも追い詰める 那覇 大城千鶴子
地賞
言わなくて良かった胸を撫でおろす 本部 永井えいこ
人賞
生かされて平均寿命また延びる 糸満 山城のぶう
奨励賞
本物の虫は苦手な虫眼鏡 八重瀬 森山文切
佳作
新議員バッジ付ければすぐ威張る 那覇 後盛秀行
評論家チャンネルはしご選挙戦 那覇 村吉政常
必読と小さく書いた罠もある 沼津 木俣邦捷
宝くじ勝った時だけ神頼み 北中城 大屋みゆき
一病が喜寿の人生狂わせる 那覇 友寄英雄
ドッコイショ曽孫がまねて立ち上がる 宜野湾 田場房子
罵声にも金魚のごとくかわしたい 北中城 佐久本盛明
産直の野菜の人気主婦の列 那覇 山内昌一
盆踊り仏様よりあの浴衣 北中城 伊達政仁
脇腹がさらに気になるバイキング 那覇 宮良毅
母の風呂自由な時間一人じめ 糸満 佐久本小豆


天賞大城さん:「追い詰める」の表現が良いですね。声を出して読むと、五七五のリズムが心地良く響きます。
地賞永井さん:人間関係で、得てしてそういう場面に出くわすことがあります。それをさり気なく五七五に仕立てられた力量に拍手です。
人賞山城さん:「生かされて」の言葉の奥深さを噛み締めるばかりです。

平成29年12月12日掲載分

天賞
釣り糸に忍耐力を教えられ 東京 大矢和子
地賞
人のエゴ地球のリズム乱してる 読谷 島尻卓
人賞
高級酒あたり制する空の瓶 那覇 渡嘉敷唯正
奨励賞
笑い顔絞れとは無理ワッハッハ 那覇 禱モモト
佳作
外交は武器商いと大手ふり 石垣 松本敏
墜落も慣れてきたのか米軍機 今帰仁 玉城真光
謙虚さが打たれ強さを身につける 読谷 高良秀光
喜びも悲しみも知るカレンダー 読谷 石嶺つる子
口伝え早い仲間の艶話 浦添 上原盛徹
妻よりもポチとの会話増えてくる 宜野湾 安里國基
仏壇にそっと一礼朝帰り 北中城 高松呑海
記録的雨をもたらす温暖化 宜野湾 山城幸男
残業増えだんだん命削られる 糸満 玉城堅義
嫁にいつ排除されるかミスできぬ 那覇 屋良朝淳
鏡見る昔面影今いずこ 那覇 池村幸夫


天賞大矢さん:釣りをしない人にとって不思議な光景ですよね。「釣り糸に」の表現が効果的でよろしいです。
地賞島尻さん:自然をかえりみず、人間のやりたい放題の結果が、地球のリズムを狂わせている。いつかしっぺ返しがこないことを祈るばかりです。
人賞渡嘉敷さん:見るからに高級酒の瓶は分かり威圧的です。

平成29年12月5日掲載分

天賞
年賀状手書きの文字で光らせる 糸満 山城のぶう
地賞
ゴールまで女でいたい薄化粧 糸満 名嘉真静子
人賞
女装でもあまり違和感ない男 八重瀬 森山文切
奨励賞
川柳で出会った仲間宝物 豊見城 下地香代子
佳作
選挙程むなしさ残る祭りごと 沖縄 安慶名昇
べたついた餅に抱かれて歯がポキリ 那覇 前川真
おしゃれして鏡の返事欲しくなり 宮古島 安谷屋郁
戦力の放棄が救う地球危機 佐賀 岸恵子
仏だとおだてられては断れぬ 北中城 国吉安子
りんご割り蜜とは知らず二個も捨て 沖縄 比嘉典子
愚痴ばかり聞かされ悩む生き仏 北中城 小松呑水
背筋伸び元気あるねと孫が言う 沖縄 桑江彩雲
認知症車奪われ足も泣く 豊見城 垣花鷹志
物忘れ気をつけたのにまた忘れ 浦添 宮里直子
夫婦愛あうんの呼吸長続き 豊見城 比嘉信夫


天賞山城さん:「手書きの文字」とは、その人の個性や温かさも伝わりますよね。「光らせる」が効いています。
地賞名嘉真さん:何歳になってもオシャレ心を忘れない心意気に感じ入りました。
人賞森山さん:女装なさったのでしょうか。鏡に映る女装した男は、自分だったとか。ブロンドのカツラも良いですよね。