平成30年6月5日掲載分

天賞
カタカナ語罪の重さを軽く見せ 与那原 宮島玲子
地賞
人生もビデオも裏が面白い 糸満 名嘉真静子
人賞
良く当たる天気予報に願かける 那覇 渡嘉敷唯正
奨励賞
インとオフ使い分けてる妻の愛 八重瀬 小原千春
佳作
恙無く空気のようになる二人 糸満 伊佐真行
金網の中でシーミーする故郷 那覇 後盛秀行
ポジティブに生きて明日を呼んでみる 読谷 高良秀光
紛争の火種名人トランプ氏 宜野湾 小浜廉市
高速路ど真ん中での鳩の恋 那覇 禱モモト
お花見もテレビで済ませ春は行く 那覇 大城光代
八十路過ぎ足腰までが定休日 那覇 仲本安一
共白髪他の夫婦は美しい 南風原 宮城睦子
眠れないそのうちずっと眠れます 沖縄 垣花鷹志
抱き癖をつけないように妻を見る 那覇 上原松栄
老人は都合悪けりやボケたふり 豊見城 比嘉芳江


天賞宮島さん:そうですよね。「セクハラ、パワハラ」等、カタカナ語はその事態の深刻さを軽く見せているようにも感じますよね。良い見つけです。
地賞名嘉真さん:人生とビデオの取り合わせが効いています。いったいどんな面白さだったのでしょう。
人賞渡嘉敷さん:読者の共感句でしょう。

平成30年5月29日掲載分

天賞
合格は福も悩みも連れてくる 糸満 玉城堅義
地賞
カーテンについた埃を払う猫 八重瀬 森山文切
人賞
宝くじ買うことさえも神に聞く 宮古島 安谷屋郁
奨励賞
窓を開け陽気遣る気を取り入れる 読谷 島尻卓
佳作
さわやかにアイディア運ぶ春の風 那覇 池村幸夫
政権に重宝される強弁家 那覇 後盛秀行
魔のカーブナビがマブイを抱けと言う 那覇 前川真
シーミーは家族なごやか笑み浮かび 糸満 伊佐真行
悔しさのバネが招いたメダリスト 宜野湾 小浜廉市
老夫婦テレビと笑う昼下り 那覇 村吉政常
健診が体の具合誘き出す 那覇 友寄英雄
夫よりペットのえさに気を遣い 南風原 宮城睦子
貫禄が騒ぎ治める一睨み 本部 永井えいこ
晩酌もニュース次第で量が増え 北中城 金城清正
このハナシ話したっけと又話し 糸満 金城幸鷹


天賞玉城さん:そうですよね。うれしい反面出費がかかりすぎるのが気になります。
地賞森山さん:お客様がいらした時は、最悪ですものね。気をつけたいものです。
人賞安谷屋さん:宝くじ300円ばかりではなく、札が当たるよう火の神様へウートートゥしてみましょうかね。

平成30年5月22日掲載分

天賞
入院が過去のせわしさ忘れさせ 読谷 高良秀光
地賞
二階からメシはまだかと子のメール 糸満 山城のぶう
人賞
靴下にくせがでている右左 那覇 渡嘉敷唯正
奨励賞
電話口機嫌がわかる妻の声 北中城 伊達政仁
佳作
軽減の言葉裏腹外来機 宜野湾 安里國基
本命のチョコと気づかずまだ一人 北中城 高松呑海
酒タバコ俺は高額納税者 東京 大矢和子
朝一に春が来たよホーホケキョ 那覇 禱モモト
ウチカビは仮想通貨の元祖です 豊見城 松川雄峰
子供らがウグイス嬢の声まねる 北中城 小松呑水
忖度で官と政とのもたれあい 那覇 山内昌一
夢うつつ傑作のメモ泡となる 豊見城 下地順子
不信呼ぶ一強支配崩れかけ 石垣 松本敏
カラオケも入れ歯になってへたになり 那覇 屋良朝淳
定年後元の肩書き捨てきれず うるま 比嘉春栄


天賞高良さん:ある日突然、入院を余儀なくされても川柳で前向きに捉え句に仕立てられました。これからも川柳は高良さんの味方になり支えてくれるでしょう。
地賞山城さん:一読明快お見事です。
人賞渡嘉敷さん:見逃しそうなことさり気無く句に仕立てられよろしいですね。

平成30年5月15日掲載分

天賞
感動をくれた介護の豊かな手 糸満 名嘉真静子
地賞
終章を豊かにさせる趣味仲間 宜野湾 崎山とし子
人賞
爆音が七十余年響く島 読谷 島尻卓
奨励賞
憂い顔医者の一言笑み戻る 那覇 友寄英雄
佳作
先代の血筋を孫に高望み 那覇 前川真
再検査夫婦の絆取り戻し 那覇 村吉政常
糠床の機嫌次第の香の物 那覇 大城光代
幸せと平和のレシピつくりたい 那覇 後盛秀行
寝てばかりいると気になる認知症 宜野湾 嘉数さくら
耳遠く愚痴を聞くのも楽になり 沖縄 垣花鷹志
長話本音掴めず欠伸する 那覇 池村幸夫
模合の座病気自慢に孫自慢 沖縄 比嘉典子
気にかかるくもりガラスの先の美女 北中城 佐久本盛明
ジムがよい三段腹をもてあそび 読谷 新垣喜邦
病みあがり旦那を使うくせになり 読谷 石嶺つる子


天賞名嘉真さん:リズムも内容も良く、心に沁みるすてきな川柳をありがとう。お見事です。
地賞崎山さん:そうですよね。加齢と共に感じてやまない実感句でしょう。素敵な趣味仲間に囲まれている姿が見えるようですよ。
人賞島尻さん:さり気無く訴える力量はさすがです。

平成30年5月8日掲載分

天賞
酒なしに会話続かぬ間柄 八重瀬 森山文切
地賞
マイペース良いと言いつつまわり見る 那覇 渡嘉敷唯正
人賞
少子化に歯止めをかけるマタニティー 糸満 山城のぶう
奨励賞
少しだけ愛の小窓を開けておく 宜野湾 崎山とし子
佳作
かみさんの目尻下がれば仏さん 那覇 山城東雄
赤ちゃんをスマホに子守させる親 浦添 宮城智子
会わないと不安がおそう老いの日々 北中城 比嘉若松
赤ちゃんにパワーもらってハイジャンプ 読谷 高良秀光
四月馬鹿嘘か誠か確かめる 那覇 山内昌一
シーミーの混み合う車北南 那覇 なかそね一
空き屋敷シーサーだけは住みつづけ 今帰仁 玉城真光
朝帰り聞き耳立てる両隣 北中城 宮城好博
新刊も売っているのに古本屋 那覇 仲本安一
収穫の大きさ比べ競い合う 浦添 宮里直子
沖縄は春夏秋で冬は無し 今帰仁 長田勘逸


天賞森山さん:そうなんですよ。しかし酔うとその反動なのか、良くしゃべる人もいますよね。
地賞渡嘉敷さん:やはり人間たる所以ですかね。周囲が気になるものです。
人賞山城さん:声を出して読むと分かることですが、五七五のリズムが心地良く、お手本句です。

平成30年5月1日掲載分

天賞
マドンナもアガイと座る古稀祝い 豊見城 松川雄峰
地賞
デパ地下で決心鈍るダイエット 宜野湾 高橋けい子
人賞
聞いてないことまで喋る立ち話 沼津 木俣邦捷
奨励賞
子育ての失敗孫で取り返す 南風原 宮城睦子
佳作
老夫婦聞こえたつもり平和です 北中城 高松呑海
島が湧く海からスクがやって来た 糸満 佐久本小豆
甲子園地元でないと熱も出ず 宜野湾 安里國基
官僚は嘘つくものとやっと知り 南風原 糸数永教
聞き逃すまいと構える褒め言葉 北中城 稲福呑雲
鳩時計半音下がる電池切れ 那覇 上原とよ子
大声で怒鳴り散らして辺り見る 北中城 大屋みゆき
カルガモの親子のような園児たち 宜野湾 田場房子
嘘をつく一度ついたら二度三度 南風原 伊禮和美
息子らに草刈り頼み花も刈り 沖縄 桑江彩雲
家じゅうの秘密知っているチリ袋 読谷 石嶺つる子


天賞松川さん:マドンナとアガイの取り合わせに、つい手を叩いて笑ってしまいました。宮古島の方に尋ねて欲しいアガイです。
地賞高橋さん:美味しい試食品につい手が出ますもの、ダイエット中を忘れますよね。
人賞木俣さん:話好きな人につかまりましたか。

平成30年4月24日掲載分

天賞
短冊に書くには重い願い事 宜野湾 崎山とし子
地賞
名刺入れ診察券に衣替え 糸満 山城のぶう
人賞
墓石に先祖びっくり大理石 読谷 新垣喜邦
奨励賞
初孫を生んだ嫁にも金メダル 那覇 山城東雄
佳作
足らず気味使うお金の有難さ 那覇 渡嘉敷唯正
微笑みが存在感を高め合い 那覇 大城千鶴子
投句読み選者になってABC 那覇 山内昌一
親はみな来た道忘れ子を諭す 宮古島 安谷屋郁
青春の夢がうごめく古稀の春 那覇 後盛秀行
満開に咲かせてみたい老いの花 今帰仁 玉城真光
ハブ酒で仲直りする夫婦仲 那覇 禱モモト
食べ過ぎと言った言葉をつい忘れ 那覇 仲本安一
五七五十七文字で友が増え 豊見城 松川雄峰
都合よく解釈しても老いは来る 浦添 清水定芳
病院にポイントあればすぐ貯まる 与那原 宮島拓也


天賞崎山さん:そうですよね。人それぞれの願いがありますよが、人に知られる内容は、書けませんよね。微妙な人間の心理を上手く句に仕立てられ、お見事です。
地賞山城さん:特に退職後は加齢と共に診察券が増えていきますね。
人賞新垣さん:エッそうでしたか。大理石とは、さぞ御先祖様もビックリなさったことでしょう。

平成30年4月17日掲載分

天賞
ストレスにとてもよく効く良いお酒 那覇 池村幸夫
地賞
安物をさがして燃費高くつき 南風原 宮城睦子
人賞
病院のロビーは老いの集会所 那覇 友寄英雄
奨励賞
祖母からの教えはいつもヤーナレー 那覇 なかそね一
佳作
採血の度に握られ胸躍る 沖縄 桑江彩雲
休肝日ひたすらお茶で耐えている 那覇 上原松栄
うかつにも涙腺ゆるみ上を見る 北中城 小松呑水
トランプを嫌いと言えぬギャンブラー 糸満 名嘉真宣京
今日もまた散歩で老いを遠ざける 豊見城 比嘉恒夫
ボーリング悲鳴と共にボール消え 那覇 村吉政常
北からの不気味な風に世が騒ぐ 本部 永井えいこ
赤くても胸の炎は写らない 糸満 玉城堅義
民話聞くスローライフの仲間達 糸満 名嘉真静子
涙腺の緩むたびごと年感じ 北中城 稲福呑雲
白内障オペの効果は美人ふえ 読谷 上地武俊


天賞池村さん:このトボけた言いまわしがとても心地良く、楽しい作品となりました。
地賞宮城さん:高い電気製品など買う時は特にそうなりますよね。気付いた時には後の祭りということなんでしょうかね。
人賞友寄さん:言い得て妙ですね。どこの病院のロビーも、老いの社交場みたいですから・・・。

平成30年4月10日掲載分

天賞
志情を蝶々結びで持ち運ぶ 那覇 前川真
地賞
公園に子供と鳩がいる平和 那覇 渡嘉敷唯正
人賞
茶柱を信じて今朝の茶を入れる 糸満 山城のぶう
奨励賞
ちっちゃな手合わせ仏壇拝む孫 北中城 宮城好博
佳作
コーラスが弾む青春手繰り寄せ 宜野湾 崎山とし子
ほめ言葉皮肉が耳に残ってる 読谷 石嶺つる子
聴診器恋の病は聞き取れず うるま 比嘉春栄
褒め言葉たとえ世辞でもあたたかい 八重瀬 小原千春
ボランティア受けた恵みのお裾分け 沖縄 垣花鷹志
まったりとコーヒータイム空も青 沖縄 比嘉典子
無免許の妻に運転指図され 那覇 新垣明美
泣き声をすぐ聞き分ける母の愛 北中城 大城勉
夢の中美空ひばりと会話する 宜野湾 池間重光
年金日健診日待つ老いの日々 那覇 屋良朝淳
足腰と頭きたえて九十才 今帰仁 長田カンイツ


天賞前川さん:志情(しなさき)はウチナー独特の表現で心情とか心持ちのことですよね。その心情を蝶々結びにするとは、なかなか奥深い作者の思いが伝わりよろしいですね。
地賞渡嘉敷さん:穏やかなこの風景こそが、大切なんですよね。
人賞山城さん:茶柱は立ったのでしょうか。余情ある作品で楽しいですね。

平成30年4月3日掲載分

天賞
春嵐乙女の衣まくりあげ 那覇 仲田栄松
地賞
友が来る積もる話をぶらさげて 糸満 佐久本小豆
人賞
見た目より中味大事と見栄をはる 南風原 宮城睦子
奨励賞
すっぴんで青空に夢描きたい 読谷 高良秀光
佳作
成果主義うそのデータをはびこらせ 読谷 島尻卓
おひな様だまって愚痴を聞いている 宜野湾 高橋けい子
孫そろい女房わめく靴脱ぎ場 北中城 高松呑海
指先が休む暇なしスマホ族 糸満 伊佐真行
呑兵衛は宴会だけは遅れない 北中城 比嘉若松
お隣が加齢とともに遠くなる 宜野湾 安里國基
段取りを練って契約ものにする 那覇 上原とよ子
フェスティバルアドリブ効かす舞台慣れ 宜野湾 真栄城久枝
遠足に変えて筋トレ散歩道 那覇 大城光代
成長を見守っている母子手帳 沼津 木俣邦捷
嫁ぐ娘に涙こらえる父の顔 北中城 国吉安子


天賞仲田さん:日常の中の何気ないひとコマを、さらりと句に仕立てられお見事です。春嵐と衣の取り合わせが効いています。
地賞佐久本さん:話をぶらさげての表現が上手いです。グチよりも笑い袋であってほしいものですね。
人賞宮城さん:外見を飾るのも良いけど、一番は中味が大事ということなんですね。